山本七平(読み)ヤマモト シチヘイ

20世紀日本人名事典 「山本七平」の解説

山本 七平
ヤマモト シチヘイ

昭和期の評論家 山本書店店主。



生年
大正10(1921)年12月18日

没年
平成3(1991)年12月10日

出生地
東京・三軒茶屋

学歴〔年〕
青山学院高商部〔昭和17年〕卒

主な受賞名〔年〕
文芸春秋読者賞〔昭和48年〕「ある異常体験者の偏見」,菊池寛賞(第29回)〔昭和56年〕,和歌山県文化賞〔平成1年〕

経歴
大阪商船に就職した途端に応召フィリピン戦で終戦カルマンの戦犯収容所で1年4カ月過す。昭和22年復員。福村書店、岩崎書店勤務を経て、33年自宅に山本書店を設立、聖書関係の出版物を刊行。45年イザヤ・ベンダサン著のベストセラー「日本人とユダヤ人」(第2回大宅壮一ノンフィクション賞)の訳者としてマスコミにデビュー。イザヤ・ベンダサンと同一人物であるという説が有力。以後評論で活躍。軍隊経験、ヘブライズムと東洋古典の教養土台に独特の“日本人論”と評論を展開。主な著書に「日本教について」「私の中の日本軍」「日本資本主義精神」「勤勉の哲学」「日本的革命の哲学」「現人神の創作者たち」「論語について」「帝王学」「一九九〇年の日本」「旧約聖書物語」「山本七平全対話」(全8巻)などがある。4年山本七平賞が創設される。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「山本七平」の意味・わかりやすい解説

山本七平
やまもとしちへい

[生]1921.12.18. 東京
[没]1991.12.10. 東京
出版人,評論家。代々クリスチャンの家系に生れる。 1942年青山学院高商部卒業後,陸軍に入隊し,フィリピンで第2次世界大戦の終結を迎えた。現地で捕虜となり,47年復員。 58年翻訳書を中心に聖書関係の書籍を刊行する山本書店を設立する。 70年に出版したイザヤ・ベンダサン著・山本訳『日本人とユダヤ人』がベストセラーとなり,第2回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した。この本をめぐってベンダサン=山本七平説がマスコミをにぎわしたが,本人は否定。これを機にみずから言論活動を開始し,戦争体験や日本人の行動と思想解析,新保守主義をリードする論客と目された。おもな著書に『私の中の日本軍』(75),『論語の読み方』 (81) ,『「空気」の研究』 (77) などがある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「山本七平」の解説

山本七平 やまもと-しちへい

1921-1991 昭和時代後期の出版経営者,評論家。
大正10年12月18日生まれ。昭和33年山本書店を創立。45年刊行の「日本人とユダヤ人」(大宅壮一ノンフィクション賞)が大ベストセラーとなり,著者イザヤ=ベンダサンの訳者・代理人としてマスコミをにぎわせた。独自の視点からの日本人論を展開し,56年菊池寛賞。平成3年12月10日死去。69歳。東京出身。青山学院高商部卒。著作に「日本資本主義の精神」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「山本七平」の解説

山本 七平 (やまもと しちへい)

生年月日:1921年12月18日
昭和時代の出版経営者;評論家。山本書店店主
1991年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android